古民家リフォームの相談
金剛山の麓、南河内の山間部の築80年の立派な古民家を購入し、セルフビルドで内装解体をされている方から、白蟻被害の戎柱(8寸角桧材)の相談をお受けしました。、間口7間半×4間で建坪30坪で北入り8帖スペースの玄関、座敷が8帖、上がり間が6帖、その裏が6帖、4帖半になります。玄関を挟んだ店奥の物入れは6帖になり、台所は10.5帖です。
弊社事務所の耐震補強コーナーと、敷地内に隣接する私の昭和9年新築の生家を案内。同時期に建てられた古民家の特徴を説明させていただきました。
間口7間半×奥行4間+裏増築1.5坪 30坪+1.5坪
白蟻被害の確認
元の家主さんによると、数年前にリフォームした際、白蟻被害を確認したが、予算的な事もあって防蟻処理を行いそれ以上の白蟻被害を食い止め、被害部分が見えない様に壁を覆ったとの事です。
玄関側より 台所側より 柱は乾燥、被害の進行はなし
既存柱の切断と加工
四方から荷重が架かっているため、完全なジャッキアップをするには、柱周辺の土壁を除去し数か所のサポートが必要ですが、今回は補修を最低限にするため、1か所でのジャッキアップで現状維持の補修の方針で行います。
簡易的な金輪継ぎを採用 普段は使用しない道具も… 支保工(ジャッキアップ)
柱の切断 白蟻被害部分の再確認 既存柱部分を加工
補強柱の加工
通常、金輪継ぎは柱径の2.5〜3倍の長さで継ぎますが、既存のほぞ穴の位置や見栄えを考慮して1.8倍の長さで加工しました。また、既存の礎石が一部沈下していますが、やり替えるとなると大事になるため、柱が見える1/4のみ礎石まで伸ばし、残りは欠き込み鋼製束で荷重を礎石に伝達させます。
大きい鑿は1寸6分(48mm)幅 突き鑿 柱裏3/4は欠き込んで鋼製束
仕口の差し入れ 栓の打ち込むことで仕口が引き締まります。 柱付近の壁にはひび割れ
礎石、基礎補強
ジャッキアップで柱が上がらないため仕口で突き上げる、2cmは柱が短くなります。その為、柱が見える1/4は礎石の間は25mm厚の板石を差し込み、残り3/4の柱を欠き込んだ部分は一旦、3本の鋼製束で支え、それをコンクリートで巻き、基礎補強としました。
鋼製束でジャッキアップ 型枠組 見える部分は25mm厚の御影石を差し入れ
基礎コンクリート打設 型枠バラシ 金輪継ぎ完了
南河内郡内(`18年 平成30年4月完工) 実質工期:2日